人生のリスクを回避する身近な金融商品「保険」の基礎知識を知っておこう!
みなさんは「金融商品」と聞くとどのような印象を持ちますか?多くの方が「私には関係のないもの」と思われるのではないでしょうか。
しかし、それは金融商品と聞いて思い浮かべるのが株式や債券だからではないでしょうか。ところが、金融商品は株式や債券だけではありません。
銀行預金や投資信託、不動産、外貨、保険なども金融資産の一種なのです。どうでしょうか?このように見ていくと、金融資産がとても身近なものだということがお分かりになるのではないでしょうか。
そして、そんな中でも特に身近で、尚且つ我々の生活に取って非常に重要なのが「保険」です。
そこで、本稿ではこの「保険」について紹介していきたいと思います。
保険とは何か
まず初めに、保険とはそもそも何なのかという点について触れていきたいと思います。
私たちは通常、何らかのリスクと隣り合わせの生活を送っています。例えば、怪我や病気をするリスク、失職して収入を失うリスク、投資で損失を被るリスク、災害に遭うリスク、死亡するリスク等々です。
⇒投資の基本「リターン」と「リスク」について初心者が知っておきたいこととは?
そして、一旦こうした事態が生じてしまうと収入が減ったり、場合によっては無収入になってしまいうこともあります。
そうすると当然、リスクに曝された当人だけでなく、家族にも影響が及ぶことになります。最悪の場合は、一家の大黒柱が死亡することで一家が路頭に迷うことにもなりかねません。
もちろん、こうしたケースに備えて多くの家庭では預金を行っているわけですが、上記のような重大な事態に対しては個人の預金だけでは対処できない場合が多くあります。
そんな時のために、多くの人間が費用を負担し、いざリスクに曝された場合に加入者全員の収めた金額の中から保障のために必要な金額を支給する制度が「保険」なのです。
つまり平たく言うと、自分一人では背負いきれないリスクについて加入者全員でリスクを負担する制度ということになります。
例えば、世帯主が死亡した場合に遺族の当面の生活費のために1000万円が必要だとします。しかし、故人の残した預金ではこのうちの500万円しか賄えないとします。そうすると、この場合遺族は残された500万円で耐え忍ぶか、あるいは残りの500万円をどこかから借りてくる必要があります。
しかし、もしも亡くなった世帯主が死亡保険に入っていたとすれば、残りの500万円を保険金として受け取ることができるわけです。
そしてこの500万円は、加入者が毎月支払っている保険料が原資となって支払われるのです。ですから、加入者が仮に1万人いたとすれば一人一人が500円を負担することで、500万円の保険金を支出することができるのです。
どうでしょうか?保険というものが一体どのような性格を持っているのかご理解いただけたでしょうか。
しかし、これだけではまだ保険について十分に知ったことにはなりません。実は、保険と一口に言ってもその種類は対応するリスクによって「死亡保険」「生存保険」「医療保険」「損害保険」の4つに分かれているのです。
ですので、以下ではこの4つの保険について1つずつ紹介していきたいと思います。
死亡保険
死亡保険とは文字通り、加入者(被保険者)が死亡した場合に保険受取人に対して保険金が支払わるという保険商品です。
多くの場合、世帯主に万が一のこと(死亡や高度の障害)が起こった際に、遺族に対して当面の生活費を補償するためのものとして利用されています。
おそらく、この説明を聞いて「それって生命保険と同じじゃないの?」と思われた方がいらっしゃると思いますが、実際に死亡保険と生命保険には大きな違いはありません。
ですが、一般に生命保険として販売されているものは死亡保険に生存保険が付加されたもので、正確には養老保険や終身保険などと呼ばれています。
また、中には死亡保険に医療保険を付加したものも存在します。しかし、このように複数の保険が組み込まれた保険商品であっても、保険料はそれぞれの保険部分に応じて設定されます。
ですから、多くの保険が組み込まれた保険商品については、当然その分だけ保険料も高くなります。
そこで気になるのが死亡保険の保険料ですが、死亡保険の場合には「予定死亡率」と呼ばれる数字に保険金をかけることで保険料の額が決まります。
予定死亡率とは、健康状態や年齢などを基に特定したグループが1年間に死亡するリスクを数値化したもので、例えばある被保険者の属するグループの予定死亡率が10%だとして、死亡時に受け取る保険金が5000万円であれば、保険料は50万円だということになります。
生存保険
生存保険とは、生存することによって発生するリスクに対応するための保険です。
「生存することのリスクって何?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、生きている期間が長くなればなるほどリスクと言うのは大きくなるものなのです。
例えば、10代や20代では老化によって生活に支障が出るということはありませんが、60代70代になると老化現象が顕著に現れ、日常生活にも支障をきたすことになります。
また、年齢を重ねていけばそれだけ病気をし易くなり、また怪我もし易くなります。加えて、多くの方は60代で定年を迎え、それ以降は給料による収入が下がるか、あるいは全く無くなります。
しかし、こうしたリスクに囲まれながらも生活は続けなければなりません。そこで、このような生存することで発生するリスクに対応するために生存保険が存在しているのです。
代表的なものでは、国民年金や厚生年金、民間の個人年金などがこれに当たります。
医療保険
医療保険とは、怪我や病気を患うリスクに対応するための保険です。多くの方が実際に体験されていることと思いますが、我々は常に怪我や病気を患うリスクと隣り合わせの生活を送っています。
そして、実際に怪我をしたり病気になったりすると、高額の治療費が必要になります。しかし、誰もがこのような高額の治療費を払えるわけではありません。
そこで役立つのがこの医療保険です。保険に加入している全ての人間が一定の保険料を負担することで、いざ怪我や病気の治療が必要になった時に、保険金によってその大部分を補填することができるのです。
例えば我が国の場合ですと、国民健康保険がこれに当たります。みなさんもご存じの通り、医療機関の窓口で保険証を提示すれば、日本国民の誰もがこの保険制度を利用することができます。
しかも、治療費の自己負担額は非常に低く、2010年時点では治療費全体の3割となっています。国民健康保険は公的な医療保険制度ですが、民間でも数多くの医療保険が販売されています。
とは言え、我が国では長らく民間における医療保険の販売は禁止されおり、認可が為されたのは金融規制改革が行われた時期ですから、一般に民間医療保険が広まったのはごく最近のことです。
損害保険
損害保険は上記の3つとは違い、「人」ではなく「物」に対して発生するリスクに対応するための保険です。
これまでに紹介した保険では対象が「人」でしたので、対応するリスクも怪我や病気や死亡などでした。
しかし、損害保険が保険の対象としているのは「物」ですので、対応するリスクは自動車の損傷や住宅の火災、地震による建物の倒壊などになります。
代表的なもので言うと、火災保険や自動車保険が損害保険の一種として知られています。また変わったところでは、事業に対する損害賠償請求に対応した賠償責任保険といったものもあります。
まとめ
身近な金融商品である保険について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事が皆さんが保険商品を選ぶ際の参考になれば幸いです。
-
-
投資とギャンブルは何が違う?初心者が資産運用で気を付けること
これから資産運用を考えている初心者の方は、まずは資産運用とは何か、投資とギャンブルの違い、そして投資と投機の違いを把握しておきましょう。
-
-
ぼんやりしてない?パソコンやスマホによる目の疲れを解消してスッキリ!
「何だか目が疲れる…」「目の奥が痛い…」など、現代は目に関する悩みが増えている傾向にあります。症状とその原因、スッキリ解消する方法を紹介します。
-
-
amazonプライム会員になるメリットはこんなにもあった!年会費がかかってもおすすめな人とは?
年会費が発生するamazonプライム会員。一体どんなメリットがあるのか?を隅々まで検証した結果、意外にもメリットが多かった!どんな人におすすめなのかを紹介します。
-
-
投資初心者が知っておくべき重要ワード「レバレッジ」の正しい意味とは?
投資を始める上で知っておくべき重要なワードとして「レバレッジ」があります。レバレッジを効かせるとはどういうことか?リターンとリスクについても把握しておきましょう。
-
-
『金融』の基礎知識。資産運用をするならこれだけは知っておこう!
資産運用・投資を行う上で最低限知っておくべき知識として『金融』があります。金融とは何なのか?目的と種類ごとに解説しているので初心者は参考にしてみて下さい。